自転車でバス釣りは違法?条例と正しい楽しみ方

自転車×釣行スタイル

自転車で近所の野池を何ヶ所かハシゴしていたとき、ふと「これって大丈夫なんだっけ」と不安になったことがあります。バス釣りは違法だという話をどこかで聞いた気がするけど、実際どこまでがアウトなのか、正直あいまいなまま竿を出していました。

同じように感じている方、少なくないと思います。「バス釣り 違法」で検索すると断片的な情報ばかりで、結局何が禁止で何がセーフなのかすっきりしないんですよね。この記事では、自転車で複数の水域を回るスタイルならではの注意点も含めて、事実関係を整理してお伝えします。

自転車でバス釣りに行くのは違法?まず結論から整理します

野池のほとりで自転車を停めて水面を見つめる釣行者の後ろ姿
先に結論を言うと、バス釣りにまつわるルールは大きく3つに分けて考えると分かりやすくなります。

  1. 国のルール(外来生物法)では、釣った場所でのキャッチ&リリース自体は違法ではない
  1. ただし都道府県の条例・漁業調整規則で、リリースを禁止している地域が多数ある
  1. 生きたまま別の水域に運ぶ・放す行為は、国のルールで明確に違法

この3つを混同してしまうと「バス釣り=全部違法」「リリースしても平気」のどちらかに極端に振れてしまいます。順番に見ていきます。

国のルールでは「その場でのキャッチ&リリース」は違法ではない

環境省の公式サイトによると、オオクチバス・コクチバスは特定外来生物に指定されていて、「飼育、栽培、保管及び運搬することが原則禁止」「野外へ放つ、植える及びまくことが原則禁止」とされています。

一見するとこれだけで「釣ること自体アウトなのでは」と思ってしまいますが、環境省のQ&Aでは「釣った特定外来生物をその場で放すキャッチ・アンド・リリースは問題ありません」と明記されています。釣り上げてすぐその場に戻す分には、外来生物法上の「保管」や「運搬」には当たらない、という整理です。

罰則も知っておくと危機感の解像度が上がります。無許可で野外に放った場合、個人は3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、法人は1億円以下の罰金です(環境省)。数字だけ見ると重く感じますが、これは「別の水域に生きたまま放す」ような行為に対する罰則で、その場でのリリースを罰するものではありません。

都道府県条例は別枠|リリース禁止の地域も多い

ここが一番見落としやすいポイントだと感じています。国のルールでOKでも、都道府県レベルで別の規制がかかっている場合があるからです。

日本釣振興会の見解では、「バスを釣ることは禁止されているわけではない」としつつ、「通常行われているキャッチアンドリリースについては条例・漁業調整規則等で禁止をしている県が多くある」とされています。具体的には岩手・秋田・山形・宮城・栃木・群馬・埼玉・神奈川・山梨・長野・岐阜・滋賀・新潟・広島・鳥取・佐賀・熊本の17県がリリース禁止を規定しているとのことです。

正直、この一覧を見て「思ったより多い」と感じました。しかも適用される水域は県ごとに異なり、内容も時期によって変わる可能性があります。

具体例を2つ見てみると、規制のかけ方が県によって結構違うことが分かります。滋賀県は「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」という条例名で、対象を琵琶湖(漁港含む)とブルーギル・ブラックバスに絞って規制しています(滋賀県公式サイト)。一方、新潟県は「新潟県内水面漁場管理委員会指示第1号」という漁業法に基づく指示の形で、河川湖沼及びこれと連続する水域への放流を禁止しています(新潟県公式サイト)。同じ「リリース禁止」でも、条例なのか漁業調整委員会の指示なのかで根拠になる法律も違えば、対象水域の絞り方も違うわけです。

つまり「隣の県は条例で禁止だったから、うちの県も同じはず」という推測は当てにできません。私が普段自転車釣行している地域でも、条例の細かい適用範囲までは把握しきれていない部分があるので、釣行前には必ず現地の水産課や漁業調整規則の最新情報を確認するようにしています。この一手間を惜しむと、知らないうちに条例違反になってしまうかもしれません。

生きたまま別の水域に運ぶのは明確に違法です

釣った場所でバスを水面に戻す手元、バケツなどの持ち運び容器は写っていない
三段構造の中で、実は一番リスクが高いのがここだと思っています。環境省のQ&Aでは「見つけた特定外来生物を生きたまま許可無く運搬することはできない」とされていて、釣った水域と同一性のない別の水域に生きたまま持ち出す行為が違反にあたります。例として、琵琶湖で釣った魚を琵琶湖内の回収いけすに入れるのは問題ないが、琵琶湖と別の水域に生きたまま持ち出すのは違反、という具体例が示されています。

これ、自転車で釣りをしている人ほど無意識にやってしまいやすい行為だと感じています。ロードバイクやグラベルバイクで複数の野池をハシゴするスタイルは、機動力が武器な反面、「さっきの池で釣ったバスをバケツに入れたまま、次の池まで自転車で移動する」ような場面が起きやすい構造になっているからです。悪気なく「元気なうちに見せたい」「途中で締めるタイミングがなかった」というだけでも、生きたまま別水域に持ち込めば違反になり得ます。ここは自転車釣行ならではの落とし穴として、強く意識しておきたいところです。

なぜバスだけこんなに厳しいのか

正直、他の外来種に比べてバスへの規制が厳しく感じる方もいると思います。この理由について宮城県の公式サイトが分かりやすい説明をしています。バスによる食害で伊豆沼など在来魚の漁獲量が激減した実例があり、しかも水路などで他の水域とつながっているため、一部の水域だけで容認する「ゾーニング」が難しいという事情があるそうです。

つまり「この池だけは特別にOK」という線引きが物理的にできないため、県単位で一律に禁止するという判断につながりやすい、ということだと理解しています。この背景を知ると、条例の厳しさにも納得感が出てきました。

自転車釣行で気をつけたい実践ポイント

折りたたみベイトロッドと小型ランディングネット、コンパクトクーラーを並べた俯瞰フラットレイ
ルールの整理ができたところで、自転車でバス釣りに行くときの実践的な部分に触れていきます。

水域選びの考え方

野池・河川・ダム湖のどこで釣るにしても、まずその水域が属する都道府県のリリース規制対象になっていないかを事前に確認するのが基本です。地域によって適用範囲が変わるため、「隣の池は大丈夫だったから」という判断は避けたほうが安全だと感じています。

複数ポイントをハシゴするときの注意

自転車釣行の醍醐味は、車では入りにくい細い農道や堤防道を使って、短時間で複数の水域を回れることです。ただし前述の通り、生かしたまま次のポイントへ運ぶのはNGです。写真を撮ったらその場でリリースするか、持ち帰って食べる場合はその場で締めてから移動する、という順番を徹底しています。生きたまま運搬するのが禁止なだけで、釣り場でその場で締めて食用に持ち帰ること自体は問題ないという整理なので、この線引きさえ守れば自転車ならではの機動力を安心して活かせます。

装備選び

自転車で複数の水域を回るスタイルだと、道具はコンパクトさが最優先になります。私が普段使っているのは、5ピースに分割できるベイトロッドです。


リールは小型ベイトリールをAmazonで探すと、価格帯・重量ともに比較しやすいと思います。ワームなどのソフトルアーは消耗品なので、バス用ワームをAmazonで探すで複数カラーをまとめて揃えておくと、その日の状況に合わせやすくなります。

ランディングネットも自転車に積むなら折りたたみ式が扱いやすいです。

ロッドとタモを2本まとめて固定できる自転車用ロッドホルダーがあると、ハシゴする移動もかなり楽になります。

持ち帰って食べる予定がある日は、コンパクトなクーラーボックスも積んでおくと安心です。

パックロッドの選び方は

で仕舞寸法別に比較しているので、あわせて読んでみてください。ロッドホルダーなど自転車を釣り仕様にカスタムする方法は

で、クーラーボックス選びは

で詳しく解説しています。

よくある質問

Q. バス釣りをすること自体は違法ですか?

いいえ。バスを釣ること自体を禁止する規定はありません。国レベルで規制されているのは、生きたまま飼育・保管・運搬することと、野外に放つことです。

Q. 釣った場所でリリースするのは違法ですか?

環境省のQ&Aでは、釣った場所でその場でリリースするキャッチ&リリースは問題ないとされています。ただし都道府県の条例や漁業調整規則でリリースを禁止している地域があるため、釣行前に現地のルールを確認してほしいと思います。

Q. 自転車で複数の池を回るときに気をつけることは?

生きたまま魚を別の水域に持ち込む行為が違反になるため、移動中にバケツなどで生かしたまま運ばないことです。写真を撮ったらその場でリリースするか、持ち帰る場合はその場で締めてからクーラーボックスに入れる、という順番を守るようにしています。

Q. 釣ったバスを持ち帰って食べるのは違法ですか?

生きたまま運ぶのが禁止されているだけで、その場で締めて持ち帰り食用にすること自体は問題ないと整理されています。

Q. 都道府県ごとのルールはどこで確認できますか?

条例や漁業調整規則は自治体ごとに内容や適用水域が異なり、時期によって変わることもあります。釣行先の都道府県の水産課などの窓口で、最新の情報を確認するのが確実です。

まとめ

  • 国のルールでは、釣った場所でのキャッチ&リリース自体は違法ではない
  • ただし都道府県の条例・漁業調整規則でリリースを禁止している地域が多いので、釣行前に必ず確認する
  • 生きたまま別の水域に運ぶ・放す行為は国レベルで明確に違法で、自転車で複数ポイントをハシゴするスタイルほど無意識にやってしまいやすい

ルールさえ押さえておけば、自転車の機動力を活かしたバス釣りは十分に楽しめるスタイルだと感じています。次はコンパクトな装備をもう少し見直して、条例をきちんと確認したうえで、初めての水域にも自転車で足を延ばしてみようと思います。

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